持ち運びしやすく、しっかり守り、愛しのペンを鑑賞しやすいペンケース
趣味の文具箱×GANZOのシンブライドルシリーズが一気に再入荷しました。中でも「ジッパーペンケース」は、2019年の誕生以来、多くの方に選んでいただいているベストセラー品です。今回は「シンブライドル ジッパーペンケース」の誕生裏話と、その魅力を改めてご紹介します。
「趣味の文具箱」を2004年に創刊して以来、たくさんのペンケースを見てきました。上質なペンを収めるケースは、ペンがぶつかり合わない仕切りが必需。当初はオーソドックスなかぶせ式以外に選択肢が少なく、上級者はヴィンテージ品や、高価な特注のボックスタイプを所有していた記憶があります。ペンをコレクションする趣味が広がるにつれ、ロールタイプや数十本が入るコレクションケース、ステッチを仕切りにしたシンプルなペンシースなども次々と登場していきました。
2012年発行「趣味の文具箱 vol.22」の特集には、萬年筆研究会「WAGNER」会長の森 睦さんによる「ペンケース考」という記事があります。「ペンケースを使う目的を突き詰めて考えてみたところ、運搬(携帯性)、保護(傷防止)、拝観(閲覧性)と整理できた」として、森さんの愛用ペンケースを分類しています。種類は増えても、この3要素をすべて叶えるのは難しいのだなと感じた記事でもありました。
2018年「趣味の文具箱 vol.46」の特集「万年筆使いの流儀」では、万年筆の調整士の皆さんから「丈夫なペンケースを使ってほしい」という声を多く聞きました。携帯時はカバンの中でどんな圧力を受けるか分からない。ボディやキャップにヒビが入る事例が少なくないのは、持ち歩きが増えたのに保護力が弱いペンケースを使っているからではないか。
2017年にGANZOとのコラボで、シンブライドルシリーズのジップタイプシステム手帳が誕生した瞬間から、同様のペンケースが欲しい!と熱望していました。ペンケースに求められる先の3要素に加えて圧力にも強い設計を考え、非常に手間のかかる作りをGANZOの職人の皆さまに叶えていただいたのがこのペンケースです。持ち運びしやすく、しっかり守り、愛しのペンを鑑賞しやすい。長年の編集経験から生まれたペンケースをぜひ味わってください。
ペンをしっかり守る設計
ペン収納部の仕切りは、漉いたミネルバボックスを折り紙のように端整に折りたたんで作られています。ペン同士のぶつかりを防ぐとともに、携帯時にはついたてとなって、ペンに上下からの圧力がかかるのを防ぎます(収納時はクリップを左右のどちらかに倒しておくと、キャップへの負荷がより軽減されます)。
仕切りは左右に倒れるフレキシブル構造のため、多少太さの違うペンでも問題なく収納できます。収納できるペンの最大サイズは、長さ約15cm、太さ約15mm。モンブラン149、ペリカンM1000などの大型ペンも収まります。仕切りの両側もゆったりした作りのため、細身のペンであればノド部(中央部)にもう1本ペンを収納することもできます。
下部にはペンの滑り落ちを防ぎつつ、ペンが隠れるのを最小限に抑えた浅いポケットを備えています。カバンなどに入れて携帯する際は、閉じたジッパーの引手を上にして縦方向に収納すると、このポケットが下部でペンを支え、がたつきを抑えます。
美しいペンをしっかり鑑賞できる
ペンを覆う部分が少なく、愛用のペンが美しく勢揃いしている姿をたっぷり眺められる設計です。中央部には可動式のレザー製ベルトがあり、収納するペンの軸径に合わせてほど良いテンションに調整することができます。ベルトの配置はペンのフォルムが美しく見わたせるように工夫しています。
GANZO製品を象徴する高級ブライドルレザー×ミネルバボックス
GANZOのシンブライドルは、外装にブライドルレザー、内装にショルダーヌメを合わせ、スマートさと革本来の存在感、経年変化を楽しめるシリーズです。ブライドルレザーは120年の歴史を持つ英国タンナー、J&Eセジュイック社製。雨が多い英国で馬具に使われてきたブライドルレザーは耐久性、耐水性に優れ、引っ張り強度に優れています。
内側のショルダーヌメは、イタリアのタンナー、バダラッシィ・カルロ社でトスカーナ地方の伝統的なバケッタ製法というなめしを施したミネルバボックスです。ふっくら柔らかなのに丈夫で、豊かなシボが魅力。ヌメの革色は少しずつ色合いが深まり、艶が上がっていきます。