デジタル時代だからこそ輝く「じゃばらんだ」のアナログな魅力

「じゃばらんだ」は、蛇腹(じゃばら)とagenda(アジェンダ=予定表)を合体した造語です。本格販売が始まった約5年前、販売元のあたぼう代表・佐川博樹さんからじゃばらんだの深い開発秘話をうかがいました。商品名がおやじギャグ臭いのでは?!という突っ込みには「毎年売り続けて定着したら、その臭みも解消しますよ」との答え。その通りでした!

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使い始めたユーザーからは「デジタルな予定表ではありえないスピード感あふれる俯瞰ができて心地よい」「使いはじめたらやめられない」などの反響があり、毎年9月の発売を心待ちにするシステム手帳のヘビーユーザーも急増しています。

じゃばらんだは、実は2005年からこの世に登場しています。考案者であるhoririumことデザイナーの堀野淳一さんは根っからの紙好き。紙の可能性を追求し、リフィルのデザイン研究などを日々続けています。あたぼうの「飾り原稿用紙」も堀野さんが手がけています。

締め切りが多いデザインの仕事現場で、堀野さんは当初はA4に印刷した工程表を横に貼り、つなげて使っていました。この発想をシステム手帳リフィルにしたのが原案となっています。デザイン、印刷、折りの作業をすべて手作業で行い、周囲の必要な人に頒布していましたが、評判を呼び本格販売に至っています。じゃばらんだのレイアウトには独特の機能美がありますが、これは工業デザインで培った堀野さんの経験と技術、そして紙好きの嗜好が融合して生み出されています。

じゃばらんだの特長は、1年の予定を1枚の細長い紙に配置していること。蛇腹状に折りたたんでいるので、伸ばすと一瞬で片面6か月を俯瞰することができます。手帳から外せば1年の予定を1枚で軽快に持ち運ぶこともできます。

通常のカレンダーや1か月ダイアリーは月が新しくなるごとに紙をめくります。じゃばらんだは月末の日付と翌月の最初の日付が連続しているので月をまたぐ予定がとても見やすい。月末月初の仕事の流れが分断されません。

またレイアウトには、週カウンターや日付カウントを整然と配置しています。長期の計画に向けた残日数などもすぐにわかるので、プロジェクトごとに複数を使い分けているユーザーも多いようです。

じゃばらんだのレイアウトで使っている罫線などの基本的な印刷の色は、実は3年周期で変わっています。2025年版は2022年版と同じ濃いめの紺色です。上写真は2024年版の上に2025年版を乗せた状態。明快でメリハリがあるのが特徴です。

用紙は厚めの「淡クリームキンマリ」を採用。万年筆の筆記特性も良好で、クリームの紙面にインク色も上品に映えます。

システム手帳に向けたじゃばらんだは、A5スリム、バイブル、ミニ6、マイクロ5の4サイズがあります。

A5スリムサイズ

「A5スリム」はA5の横幅を約116mmにしたスリムサイズ。1日の枠は27W×32Hmm。枠内は約5.5mm方眼で5×6枡。縦長ですが大きめの字でもゆったりと書くことができます。

バイブルサイズ

バイブルの1日の枠は22W×26.5Hmm。枠内は約4.5mm方眼で5×6枡。A5スリムの1日枠よりいくぶん幅狭ですが、縦書き・横書きを混在させて記述にメリハリを付けることもできる面積です。

ミニ6サイズ

ミニ6の1日の枠は16W×22Hmm。枠内は約3mm方眼で5×7枡。4サイズの中で枠は最も縦長で、記述を下へ下へと書いていくと自然に日付まわりが目立っていく特徴があります。

M5サイズ

マイクロ5の1日の枠は13.5W×17Hmm。枠が小さいので方眼がない無地の仕様になっています。記入に略字や記号などを工夫すれば、予定表としても十分機能します。複数枚を入手してプロジェクトごとに分けて活用したり、習慣化のための予定表などに活用するときにも便利なサイズです。

上は「システム手帳STYLE Vol.5(2020年)」で紹介した文具ライター小日向 京さんのじゃばらんだ(マイクロ5)の活用事例です。小さな枠に整然と記入することで「見返したときに内容を簡単に把握できる」ことに気づいたそうです。当時のコラム記事には、じゃばらんだを使い始めて「直近の会合から長期の仕事計画まで、難なくこなせるようになった」というコメントが残っています。

通常のシステム手帳のように見開き状態でコンパクトに閲覧できるのも蛇腹式の特長です。じゃばらんだでは見開き状態だと6週間(=約1.4か月)を俯瞰できます。

蛇腹式なのでシステム手帳のブックマークなどを挟んで装着することはできません。小型のフィルム付箋などをしおり代わりに活用すると一瞬で目的のページを開くことができます。

1枚の紙に1年が凝縮されているので単体で使っても重宝します。私はパンチに補強シールを貼り、はさみでパンチカットをしています。こうするとシステム手帳のリング開閉動作なしで一瞬で取り外すことができるようになります。

趣味文オリジナルのサイズ「ミニ6ナロー」とじゃばらんだ(マイクロ5)との相性も良好です。ミニ6ナローを活かす使い方として横位置の縦開きで常用している方も多くいらっしゃいます。じゃばらんだの縦開きはそのままで、めくってノートリフィルに即記入することができます。

システム手帳リフィルに蛇腹式を取り入れ、紙という媒体の強みをフルに発揮しているじゃばらんだは、画期的なダイアリーといえるでしょう。スマホやPCなどの予定表と併用することでその真価はより発揮されます。未体験の方はぜひ2025年からこの実用性を体感してみてください。

趣味文CLUB統括プロデューサー
清水茂樹


あたぼう/じゃばらんだ2025

M5:¥1,540
ミニ6:¥1,540
バイブル:¥1,650
A5スリム:¥1,760

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