趣味文オリジナルマイクロ5「ミルトのひみつ」大公開
システム手帳のマイクロ5「ミルト」は、2023年に発売し、初回生産分が即完売した人気モデルです。お手頃な価格なのに高級感が漂い、そしてとても使いやすい。今回は、見て触っただけではわからない「ミルトのひみつ」をご紹介します。
あのビタリータと同じ革なのに、なぜ感触と雰囲気が違うのか
素材はアシュフォードの人気シリーズ「ビタリータ」と同じ本格的な牛革です。植物タンニン鞣しのヌメ革を染料で染め、さらに手作業で1枚1枚ワックスを塗り込んで仕上げています。ビタリータのシステム手帳はライフオーガナイザーや名刺フォンなどが多彩に揃っています。素材のやわらかさを生かした作りをしていて、ふっくらとした雰囲気があり、手触りも優しい。ミルトでは、カバーの内側に硬めの芯材を入れることで、世界最小クラスのM5のカチっとした佇まいを強調しています。カバーまわりは平坦かつエッジが立っており、端正な雰囲気を持っています。
カラーは、カーキ/インディゴブルー/ヌメの3色展開。濃厚な緑のカーキは、ビタリータの定番色にはない独特の革色です。
使いはじめてすぐに熟成が進むひみつ
エージング(aging)は、本来は老化を意味する言葉。でも趣味の世界では、経年変化や熟成というポジティブな意味が加わります。良質な素材や高い技術で設計・製造をした道具にエージングは欠かせません。一般的な素材ではデニムやコットン、金属素材ではシルバー925や真鍮などが華麗なエージングを魅せてくれます。趣味の道具では機械式時計とかオーディオのスピーカーやアンプなど。エージングすることで道具の佇まいの魅力が増し、スピーカーやアンプが奏でる音はまろやかになっていきます。
良質な革もエージングによって魅力がどんどん増していきます。ミルトの革は、日本の代表的な革の製造産地である姫路(兵庫県)で植物タンニン鞣しを行っています。染料で染めた後に、1枚ごとに手塗りで丁寧にワックスを塗り込んでいます。使いはじめはマットな質感で手触りも軽快、さらっとした印象です。塗り込んでいるワックスは低温で浸透する性質を持っているので、使いはじめるとすぐにワックスが浸透していき、輝くような艶がどんどん出てきます。同時に吸い付くような独特の手触りに熟成が進んでいきます。
2冊並んだ写真はミルト(インディゴブルー)の新品(左)と革磨きをして使い込んだ後(右)を並べたものです。こんなふうに熟成が早く進む革なので、毎日使うのが楽しくなっていきます。艶だけでなく、色の変化も素晴らしく、透明感が加わりながら色の濃厚さが増していきます。ぜひ毎日ポケットに忍ばせて愛用してください。あなたならではの個性を反映した革に育っていきますよ。
3つの要素が融合してモダンクラシックな佇まいを醸し出す
ミルトの仕様は、趣味文CLUBオリジナルM5の元祖ともいえる「エレン」を元に設計しています。エレンは、M5のリフィルに対してギリギリとなる最小サイズを目指したモデルです。つまり、とても小さい。とくに横幅のギリギリさを追求しています。ミルトの横に対する縦の長さの比率は約「1:1.5」で、細身の縦長なので手で握りやすく、胸ポケットなどの出し入れもスムーズです。
縦長の比率と、周囲にある同色のステッチ、そして熟成する上質な革素材が融合し、モダンでクラシックな佇まいを放っています。内側は、左にあおりポケットをひとつ配置しただけのシンプル設計です。素材の良さをたっぷり味わってください。
同じ素材を使ったアシュフォードのM5アクセサリー「ビタリータ ストレッチペンホルダー」(システム手帳パラダイスでも近日販売予定)を装着することで、愛用ペンをいつでも添わせておくことができます。ストレッチペンホルダーは4色あるので、革色や挿すペンの軸色とのコーティネートも楽しむことができます。
ミルトの魅力は、お手頃な価格で本格的なシステム手帳の楽園に突入していけること。はじめてのM5にも最適です。ぜひミルトの魅力を体感してみてください。
文・写真/清水茂樹
(「趣味の文具箱」「趣味文CLUB」統括プロデューサー)