国内屈指のタンナーが手がける「ディープコードバン」新シリーズ!

コードバンが好きです。気がつけば、システム手帳は当然、サイフ、名刺入れ、定期入れ、ペンケース、IDケースなど、普段使いの道具たちはほぼコードバン製となっていました。

もし軽快な1本挿しペンシースをコードバンで作ってみたら……なんて、空に浮かぶ細長い雲を眺めながら歩いていたら電柱に思い切りぶつかったことがあります。周囲の皆さんからはバカと呼ばれていますが、棋士の藤井聡太さんは小学生の頃に将棋のことを考えながら歩いていてドブに落ちたことがあるそうです。何度も。天才とバカは紙一重ということで、今回コードバンフリークが本気で考えた新モデルは、国産鞣しの本格コードバンを使ったマイクロ5です。

モデル名は「ディープ コードバン M5」で、3色を一気に出しました。色名の違いで
ディープグリーン コードバン M5
デープカーキ コードバン M5
ディープグリーン×カーキ コードバン M5
の3モデルがあります。

ご購入はこちら

コードバンという革は、馬の皮の一部です。お尻の一部にコードバン層という特別な層があり、ここから採って独自の鞣し加工をした革がコードバンです。コードバン層は、どの馬からも採れるわけではありません。農耕馬の元となった野生の馬が、肉食のオオカミなどにお尻の方向から狙われた時に、お尻に噛みつかれても致命傷を負わないよう一定の部位だけに固いコラーゲン層を発達させたものです。長年の進化の賜といえるでしょう。

コードバン(cordovan)という言葉は、元々はスペイン南部の古都コルドバ(cordoba)に由来します。この地方は昔から皮革産業が盛んで、これにちなんでこの名称があるようです。

組織が緻密で硬く、使い込んでいくと艶がどんどん増していくのが特長です。現在、世界的に有名なコードバンのタンナー(なめし革会社)は、アメリカのホーウィン社です。趣味の文具箱オリジナルでもホーウィンのシステム手帳を多彩に作り続けてきています。

今回の「ディープ コードバン M5」は、国産のコードバンを採用しました。その理由は、ホーウィンとはまた違う、独特の味わいと艶を持つ新しい魅力があったからです。日本で知名度の高いコードバンのタンナーは、姫路と柏などにありますが、今回の新モデルで鞣しを依頼したのは長野県の宮内産業です。ここは国内屈指のコードバンメーカーで、創業は1937(昭和12)年。古い歴史があり、コードバンの生産にとても力を入れています。1997年にはコードバン生産量世界第2位になったこともあるそうです。

染色の微妙なムラ感は独特の雰囲気とコードバンの存在感を醸し出しています。コードバンでは珍しい深みのあるグリーン、そしてカーキ、そしてこの2色を外側と内側で組み合わせたミックスモデルにぜひ注目してください。自分がまず使い始めたのは「ディープカーキ」です。絶妙な茶色に緑が混じったカーキ色は早くも透明感を帯びながら艶を放つ経年変化を始めました。歩きながらこの艶に見とれてドブに落ちないよう気を付けています。
(「趣味文CLUB」統括プロデューサー/清水)

ご購入はこちら