唯一無二の漆塗りシステム手帳を使って自分色に染める悦楽
本革に熟練した職人が本漆を手塗して仕上げた唯一無二のシステム手帳が「URUSHI M6/M5」です。本来は硬いものにしか加工できない漆を特別な手法で塗り、さらに2色を重ねることで美しいグラデーションが映える。そして漆と本革のそれぞれの経年変化が重なることで独特の色に育っていく。素材、手法、そして経年のすべてが比類なき存在です。
美しい漆塗りの本革を作っているのは、長野県塩尻市木曽平沢
にある「未空うるし工芸」。この地は古くから漆工芸で栄えてきた一大漆器産地。未空うるし工芸は木曽漆器の伝統技術を受け継ぎながら、漆が秘めた新しい可能性を探究し続けています。「ジャックロ」と名付けた最新の技術には、漆を知らない若い世代にも興味を持ってほしいという思いも込められています。
ラッカーなどの混ぜ物をしていない本漆をヌメ革に塗り込む技術は唯一無二。漆は乾燥すると硬化しますが、可動する革に加工しても割れずに定着させる技は完全な企業秘密。1枚ごとに丁寧に手で塗って仕上げています。
趣味の文具箱オリジナルのURUSHIは2色の漆を採用。濃厚な色漆と生漆を生成しただけの透明な飴色をした透き漆を組み合わせ、美しいグラデーションを表現しています。本来は色漆に黒漆を組み合わせていますが、趣味の文具箱オリジナルは透き漆を選ぶことで独特の明るい階調に仕上がっています。
色はグリーンとレッドの2種類。どちらも漆ならではの濃厚かつ鮮やかな彩度が特徴です。漆は使い込んでいくと色の彩度が増し、透き漆は経年変化で透明感を増していきます。さらにベースとなっているヌメ革は経年変化で水飴のような明るい黄褐色から茶色に変化します。
漆とヌメ革の2つの経年変化が融合することで、グラデーションと色の落ち着きが変化していく絶妙な様は十人十色。持ち主の使い方やライフスタイルを反映して、独自の育ち方をしていくシステム手帳なのです。
製造を手がけているのは高級レザーブランドのモルフォ。「一生愛せる本質的価値のあるものづくり」を標榜とし、高い技術を持つ日本の職人の手で高品質なレザー製品を作り続けています。URUSHIの緻密なステッチやスムーズな開閉を実現しているカバーの加工など、様々な細部に高い技術が宿っています。
美しい細部のひとつの象徴がコバの仕上げです。丁寧に磨き、塗装して乾燥させ、また磨いて……を繰り返すことで漆塗りの色を際立たせる美しいエッジの艶を放っています。
内側の本革に採用しているのはベルギーでタンニン鞣しを施した「ルガード」です。みずみずしく濡れたように輝く、見る者を虜にするような高級な牛革を贅沢に組み合わせています。
ルガードは吸い付くような手触りが魅力ですが、丈夫で張りもあるので安定した筆記にも有効です。ショルダー革特有の「トラ」と呼ばれる首周りのシワをプレスでしっかりと伸ばし、色の濃淡として美しく表現しており、内側の経年変化も存分に楽しむことができます。
採用している金属リングの直径は11mm(M6、M5のどちらも)。開きのよい角背仕様で、リフィルの収納もたっぷりできます。
日本の伝統工芸が生み出す新時代の斬新な素材と、日本の職人の丁寧な革製造の技が融合して生まれた唯一無二のシステム手帳を使い込んで、あなたの色に染めてみませんか。
文・写真/清水茂樹
(趣味の文具箱/趣味文CLUB統括プロデューサー)